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DIPROニュース

2020

10月号

2020.10.12

3D類似形状検索ソリューションのご紹介

近年、3Dデータの類似形状検索が注目されてきています。ものづくりにおいて「形」は、とても重要なファクターです。「形」が複雑になれば、設計・製造のQCDへダイレクトに影響します。今回は、弊社デジタルプロセスが持つ、3D類似形状検索技術をご紹介します。

形状検索が注目されている背景

今までの情報管理

弊社技術をご紹介する前に、形状検索ができない場合の情報管理について考えてみます。今まで情報を検索するための検索キーは、「文字列(数値を含む)」でした。形状データは検索キーにはならないため、「部品番号」という一意性のある文字列に形状データを紐づけることで管理しています。

しかし、当然のことながら形状は「文字列」とは異なる性質を持っています。例えば、「部品番号」に紐づいた、原価や製造方法の情報は「文字列」情報となるため、検索キーとして使用することができます。原価から「部品番号」検索し、「部品番号」から各種情報を探すなど関連情報を辿り必要な情報にアクセスすることができます。一方、形状は、形状から「部品番号」の方向で検索することができません。冒頭で説明したように、形状の複雑度が、原価や製造方法などへダイレクトに影響するにも関わらず、実際の検索の手順は、形状から原価や製造方法を検索することができず、効率的な情報アクセスができない状態になっているのです。

属人化による課題

上記の状態は、属人化の課題を浮き彫りにします。例えば、ある製品の金型を設計する際に、似た製品の金型を探し、流用することがあります。この場合、過去製品の中から最も類似している形を検索することができれば、設計期間を短縮できますが、形状から検索できない環境下で「部品番号」と「形」との紐づけは、人の経験に頼る必要があります。この「属人化」した状態の弊害は、ものづくり工程のいたるところで発生します。

工程 課題
見積 類似部品の見積に時間がかかる、原価にばらつきがある。
設計 部品の共通化が進まない。類似製品を新規に設計してしまう。
生産 類似部品の製造検討に時間がかかる。過去の製造トラブルが再発してしまう。
購買 購入品が適正価格で購入できない。

DIPROの類似形状検索

3D類似形状検索のアプローチ方法

3D類似形状検索の技術的アプローチは大きく2つあります。1つ目は、3Dを2Dの画像に変換し、類似画像検索と同じアプローチを使って3D形状を検索する方法で、最近話題になっているAIの中でも深層学習(Deep Learning)を使っているものです。

画像を使う形状検索

もう一つのアプローチは、3Dデータを3Dとして検索する方法で、AIのなかでもパターンマッチングと呼ばれる技術を使っているものです。DIPROの類似形状検索技術は、この技術をさらに改良し、3Dならではの特徴を抽出することで検索精度に磨きをかけています。

DIPROの形状検索

DIPRO類似形状検索の特長

上記2つのアプローチは、事前に形状の特徴量を登録し、検索部品の特徴量と比較するという処理で似ていますが、本質的に大きく異なります。

2つのアプローチを比較しながら、DIPRO類似形状検索の特長について説明します。

【特長1】3D形状から3Dの特徴量を抽出しているため検索精度が高い

1つ目の大きな違いは、2D(画像)の特徴量で比較するか、3Dの特徴量で比較するかです。当然、3Dを2Dにすると情報量が少なくなります。2D画像に変換すると奥行の情報は失われ、奥行き情報は光を当てた時の陰影の差異になります。トリックアートなどで使用される「クレータ錯視」は、同じ画像の上下を入れ替えただけで凹凸が逆に見える現象ですが、これは陰影の情報だけでは3Dの形状情報(凹凸)にならないということを示しています。

クレータ錯視の例(180度回転すると凹凸が逆に見える)
クレータ錯視の例(180度回転すると凹凸が逆に見える)

DIPROの類似形状検索は、「3D空間における全体形状」、「3D形状の凹凸形状」、「輪郭」の本来3Dデータが持っている3Dの特徴量として抽出しているため、精度が高い検索技術となっています。また、画像による検索は、閉じた空間内の形状差異を検出することができませんが、DIPROの技術は閉じた空間内の形状も検出できることが特長となっています。

【特長2】検索方法にロジックがあり、検索結果を説明できる

コンピュータで処理できるものは、全てロジックがあるように思われるかもしれませんが、Deep Learningにはロジックがありません。Deep Learningは、事前に大量のデータを学習させることによって統計的に分類する手法であり、そこに明示的なロジックがないため検索理由が分かりにくく、さらに学習させるデータによって答えが異なります。また、検索精度のチューニングは、機械学習により学習モデルを更新することでしか行えず、意図をもってロジックを変更することができません。

DIPROの類似形状検索は、3Dデータから3つの明確な特徴量を抽出し、ユーザーの意図に沿った検索を実現しています。また、検索に明確なロジックが存在するため、製品の特長によって、検索実行時に各特徴量の寄与度をパラメータとして指定できるのも、特長になっています。

検索実行時の設定画面(3つのパラメータの影響度を設定できる)
検索実行時の設定画面
(3つのパラメータの影響度を設定できる)

ソリッド部品、パネル部品など製品特長にあわせてパラメータを変更可能
ソリッド部品、パネル部品など製品
特長にあわせてパラメータを変更可能

【特長3】6万点部品の検索時間がたった3秒

DIPROの類似形状検索は、6万点部品の検索を3秒で行うことができます。内部構造や処理を改善しファイルアクセス数の削減、ネットワーク通信負荷の軽減を行うことで、上記検索時間を実現しています。検索精度とパフォーマンスで、業務のスループットを向上させます。

3Dを熟知した技術開発

これまでご説明したように、DIPROの類似形状検索は、長年培った3Dソフト開発の経験を活かし、3Dデータがもつ3Dならではの特徴を利用し、高精度かつ高速な類似形状検索を実現しています。詳細な内容については、 Space Vertex製品ホームページ、または、弊社営業までご連絡ください。

これからも、デジタルプロセスは、3Dデータをとことん活用するため、新しい技術開発に取り組んでまいります。

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製品・サービスに関するお問い合わせ
(3DTビジネス部 次長SE 濱)

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