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DIPROニュース

2021

5月号

2021.05.10

株式会社SUBARU様における設計力向上
ご支援の事例

はじめに

私たちDIPROは自動車業界を中心に、お客さまの設計・製造などのモノづくりの現場にじかに寄り添い続けてきました。

そこで培ったノウハウを基に、お客様ごとの課題の本質を見極め、お客様のスタイルに最も適した開発力向上の在り方を追求しつつ、現場のエンジニアに根差した実現可能かつ実効性の高い解決策をご提案しています。

今回は、株式会社SUBARU 第1技術本部 内装設計部内装設計第1課 桑野智明様よりDIPROのお客様設計力向上ご支援の事例をご寄稿いただきましたので、以下にご紹介させていただきます。

設計WBS構築事例 (株式会社SUBARU)

お客様の事業内容

会社名

株式会社SUBARU(英語表記:SUBARU CORPORATION)

本社所在地

東京都渋谷区恵比寿1-20-8エビススバルビル
代表電話番号:03-6447-8000

創立

1953年(昭和28年)7月15日(創業:1917年(大正6年5月))

代表者

代表取締役社長 中村 知美

従業員総数

15,806人(連結会社 合計35,034人)(2020年3月31日現在)

資本金

153,795百万円(2020年3月31日現在)

主な事業内容

【自動車】

 自動車ならびにその部品の製造、修理および販売

【航空宇宙】

 航空機、宇宙関連機器ならびにその部品の製造、修理および販売

出典元:株式会社SUBARU

背景

弊社の2025年の中期経営ビジョン「STEP」では、お客様からの信頼回復と企業の成長を両立させて、「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」変革を目指します。その中では、品質改革を中期経営計画の最重要課題に位置付けており、抜本的な改革に向けて、まず既存の業務内容の整理から着手する必要がありました。

活動内容

一般的に事例紹介されるような業務改革活動になるわけですが、弊社では知識・経験が不足しており、正直なところ、何から手を付けてよいか分かりませんでした。しばらく暗中模索した期間もありましたが、 “外から学べ” という会社の後押しもあり、別のプロジェクトでご縁のあった、DIPRO様にコンサルティングを依頼しました。ITに加えて車造りにも精通していることが、競合に対する強みであると考えたからです。

まず取り掛かったのは現状分析です。私は開発設計部門に所属していますので、日頃から開発手番を扱っていますが、品質改革視点での開発手番や設計プロセス分析は初めての経験でした。改めて第3者視点で、どうやって車を開発していて、何が原因で不具合や設計変更が発生しているのか検証した結果、

  • 誰が、いつ、何をするかの定義が曖昧かつ各個人依存。そのために検討不十分が発生している。
  • 開発手番の時点差により検討内容の不整合があり、設計変更が発生している。

この2点が設計品質低下の原因であると結論付けることができました。

成果

品質改革という目的のゴールを “自部署責任の設変ゼロ” とし、 “設計WBS導入” を解決手段としました。

これにより、 “いつ・誰が・何をする” が明示されて個人依存開発から脱却。検討不十分が解消され、明確な判断基準をもとに節目管理も可能になりました。同時に、 “現在の開発手番では、ある一定の不整合が存在する” 前提でリカバリー含めた開発計画を標準化でき、検討の抜け漏れや不整合による設計変更を防止できる仕組みを構築することができました。また、副次的な成果として、文書や図面、CADデータのように、はっきりと残りにくい貴重な経験値や暗黙知が蓄積され、技術者の育成とノウハウの伝承が意図せずとも図られる仕組みにもなりました。

多くの議論と検討を経て構築した設計WBSは、一般的なWBSに対して様式が異なります。インプット→プロセス→アウトプットのような基本原則は守りながらも、SUBARUの自動車開発に特化した記載内容や粒度、構成にした結果、フォーマットは弊社オリジナルのものとなりました。一方で、現場の開発者が誰でも・いつでもWBSの改訂や新規作成ができるように、専用システム化せずにエクセルやPDFなどの一般的なOfficeツールでWBSを作成していることも、普及促進に役立っています。

STEP「モノを作る会社」から「笑顔を作る会社」へ
出典元:株式会社SUBARU

今後

設計WBSは作って終わりではなく、実務適用・改善の自走サイクルが定着・安定して、初めて効果を発揮します。

弊社では対象車種や期間、適用部品を絞ってスモールスタートする導入方法を選択しました。少しずつ成功事例を積み上げることで、有効性を客観的に示し、仕事のやり方を変えることの抵抗感を低く抑えることが狙いです。

一方で、その過程で新たな課題を発見しました。 “なぜ、その業務をやるのか?目的と完了基準は何か?” は設計WBSで定義しました。しかし、実務レベルでは、 “その課題が発生する原因は何か?どういう考えでその解決策にしたのか?” という、考え方の基本スキルである、ロジック展開に慣れていないことに気付きました。

仕組みやツールを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。弊社創業時のチーフエンジニア 百瀬晋六の格言にある「考えて、考えて、考え抜け」という言葉が頭に浮かびました。デジタル化が進む近年、シンギュラリティなどが提唱されていますが、私は企業=人であり、いい物を作るには技術者を育てる必要があると考えています。

そこで、いま一度基本に立ち返り、物事をどのように考えて自ら答えを出すのか?議論し考える力を向上させるために “レビュー講座” を実施しています。受講後に過去の自分の仕事を振り返ると、あまりに浅く・狭く・曖昧であったことに猛省する日々です。しかし反対に捉えると、成長と品質向上を両立できていると確信を持てています。この活動は全社展開も視野に入れて、継続してDIPRO様に支援をお願いする予定です。

内装設計第1課の皆様(写真中央列の左から2人目が桑野様)

株式会社SUBARU
第1技術本部 内装設計部内装設計第1課 桑野 智明

おわりに

DIPROはこれからも、SUBARU様と一緒に “考え、考え、考え抜き” 、エンジニアひとりひとりに定着する「設計力向上」を実現し、SUBARU様の目指す「品質改革」というゴールに向けご支援を続けてまいります。

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(デベロップメントエンジニアリングサービス部 岡本)

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