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DIPROニュース

2021

6月号

2021.06.10

3D図面適用コンサルティングサービスのご案内

1. 自動車OEMにおける3D図面化の動きが加速

近年、自動車OEMによる3D衝プロセス構築の動きが加速しています。CADの発達に伴い、各種検討やCAEなどのために、以前から3Dデータは作られてきました。しかし、設計段階に限られている場合が多く、最終的なモノ造りは多くの自動車OEMでは従来からの2D図面による設計手配が行われてきました。ところが、ここにきて自動車のみならず多くの企業が、3Dデータを軸とした設計製造開発へとシフトしようとしています。

これはDX化の流れを受けて、その技術情報の基盤となる設計データの3D化を進めていることがその底流にあると考えられます。上流から下流まで、そしてグローバルな開発連携を3Dデータにより一気通貫できる競争力を身につけておくことが、100年に一度の大変革を乗り切るための、必須の技術開発戦略と考えられているようです。本稿では、3D図面化の概要についてご紹介します。

3D図面とは、3DCADデータとその付帯情報を手配情報一式とした場合の総称になります。

2. 3D図面の基本構成

3D図面への進化、これは、従来の手配方法が2D図面を正とし、3D形状などを参考情報として添付していたものから、3D形状を正として設計手配するものです。これにより、情報は全て3D図面に引き継がれ、結果的に2D図面はなくなります。

近年ではほとんどの企業で3Dデータを作成しながらも、実際多くの情報を2D図面に記載しているため、3Dデータは主に部品形状の視認やCAE検証が主たる目的となっていました。

ここではJAMAが定義している「3D単独図」の考え方をベースに紹介します。

3D単独図 3Dモデル 製品特性 管理情報
3D単独図の構成

これまで2D図面に記載されてきた情報は3つに分類されます。

(1)3Dデータ(CAD)

(2)製品特性(3D以外の補足情報など)

(3)管理情報(表題欄など)

3D図面は、設計手配を3Dデータ化することで、開発の上流から下流までを3Dデータにより一気通貫させることが可能となり、これによる情報活用の自動化の恩恵を受けることができます。

しかし同時に、情報の一気通貫を実現するためには、製品形状となる3Dデータの作成方法や各種指示、情報記載方法など、多くのルール変更に対応する必要が生じるため、‟単独図“と言いながら、3つのファイルによって構成されるなど、現在はまだシステム運用上の煩わしさも残ります。

3. 3D図面化適用のステップとハードル

3D図面手配における設計手配のプロセスと想定課題を以下に示しますが、プロセスは大きくは変わりません。変化するのは中身です。従来の2D図面に記載していた情報や指示の記載は、大きな部品の図面になれば何百か所にものぼります。これを何らかの方法で別の表現に改めていくことになります。3D空間上に文字/文章を書くことは不便なので、効率的な実現手段を工夫する必要があります。そのために、上記の3つの表現分割になっているわけです。

3D単独図プロセスと各ステップでの想定課題

また、設計は長年のやり方も変える必要があり、精度の高い3Dデータ作成も要求されます。一方3Dデータを使う側では、紙の図面がなくなり、端末上で3D図面を見ながら情報を抜き出す作業となり、その他にも以下のようなハードルがあります。

  • 3D図面の仕様決め
    (形状以外の情報、表題・図面指示やバリエーション情報などをどこにどう配置するか)
  • 下流工程に円滑に情報を流すためのAnnotation付き製品形状データの作成
  • 幾何公差の導入
  • 紙が出てこなくなることによる生産部門要員に対するCAD(Viewer)操作スキル習得
  • 3Dデータによる正規手配に伴い、電子情報による流通システムの整備
  • 自動車OEMとサプライヤなどにおける異機種間CADデータの変換と誤差の認識
  • PMIを正しく設定して生産部門に連携し、自動化を進めるDXの実現

もちろん、新しい業務革新の結果として、自動化による効率向上や品質改善、タイムラグ消滅など、QCDの改善も進み、何より“モノ造りの形”が変わっていきます。これは設計者以上に仕事現場の変化が乏しいと感じている生産部門の人にとっては刺激的なものとなるでしょう。

4. 3D図面の導入効果事例

3D図面導入の有効性は、後工程におけるデータ活用度により大きく左右されます。これまで既に作成してきた3Dデータは、主に設計開発部門内では利用されてきましたが、この3D図面化により、いよいよモノ造り工程でのDXがスタートするといえます。後工程での主なデータ活用用途を紹介します。

  • 検査・測定の自動化連携
  • 3次元公差解析
  • 金型・治工具設計への応用
  • 加工データの生成

などが挙げられますが、その中から、過去にDIPROニュースに掲載した記事を簡単にご紹介します。

1)検査プログラムの自動生成事例

NX CMM InspectionによるPMIを活用した、測定プログラム作成と測定作業の効率化です。NX-CMM Inspectionは、NXの3Dデータを活用して、三次元測定機で使用する測定プログラムの作成から、測定の実行、測定結果の評価まで実施できるツールです。

詳細はDIPROニュース2020年12月号

NX自動検査プログラミング機能 NX-CMM Inspectionのご紹介

2)公差解析ソフトとの連携事例

公差解析は、3Dモデルに定義された公差情報を利用し、累積公差によるアセンブリの品質ばらつきの事前検証を行うものですが、公差の累積による、品質不良の発生回避と同時に、過剰品質設計も排除することで、より適正な製品歩留まりを実現することを可能にします。

詳細はDIPROニュース2012年5月号

モノづくり設計段階での品質コントロール ~Variation Analysisを活用した公差解析のご紹介~

5. 3D図面の実現と確かな効果を生み出すために

3D図面適用は基本的にはお客様主体の業務改革です。しかし、この取り組みは、業務運用と情報システム、また、CADアプリケーションの高度利用とPMI設定、生産技術へのシステム連携など、業務とシステム、社内外を超えた情報連携が密接にからみあってIT化の効果を出すものです。

これらの課題解決に対し、弊社では、さまざまな形で提案とご支援をさせていただいています。

  DIPROが支援できること
  ベンチ
マーク
実施案
の提示
実行
支援
3Dデータの在り方 3DA図面表現仕様
3D詳細形状表現
PMI記載表現 -
しくみ、ルール、
システム
データ流通形式
変換に伴う精度劣化検証 -
検査・溶接打点などへの自動連携 -
PDMからの電子流通配信システム -
全社 / 対社外の
運用の確立
全体事務局PMO -
図面 / 3D移行計画のコンサルティング -
生産部門図面作業からの移行 -

▲:アプリケーションが多岐に渡るため、個別に調査が必要です

他社ではどのように進めているか、現在の3D表現案は妥当なのか、関連部門や協力サプライヤ各社はどう対応する必要があるのか、個別の疑問から全体のプロジェクト支援に至るまで、各社様の方針に沿いながら、実務適用へのご支援の形を提案致します。

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(PLMソリューション本部 シニアエキスパート 下村、松村)

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