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DIPROニュース

2022

3月号

2022.03.10

COLMINA デジタル生産準備 VPS
お客様事例 ローランド ディー.ジー. 株式会社
生産本部 生産技術部 様

VPSを活用した生産準備効率化と海外拠点での新製品立ち上げ

はじめに

ローランド ディー.ジー.株式会社様では、自社開発のデジタルセル屋台システム“D-PICS”を2000年より運用し生産現場の作業効率および品質の向上といった効果を上げられています。D-PICSの活用進化に合わせて生産準備業務の効率化 / コンカレントエンジニアリングを実現するべく、COLMINA デジタル生産準備 VPS(以下 VPS)での業務改革を推進中です。本稿では、具体的な取組事例として従来の手法による課題とVPSによる解決についてご紹介します。

デジタルセル屋台システム“D-PICS”の詳細は以下よりご覧ください。

D-BRIDGE

お客様の事業内容

会社名(英文社名)

ローランド ディー.ジー.株式会社(Roland DG Corporation)

本社所在地

静岡県浜松市北区新都田一丁目6番4号

設立

1981年5月1日

代表者

取締役社長 田部 耕平

従業員数

連結 1,220名 / 単体 560名

資本金

3,668,700,000円

事業内容

コンピュータ周辺機器の製造および販売

(2022年2月現在)

大判インクジェットプリンターTrueVIS

従来の手法による課題とVPSによる解決

VPS導入前、生産技術部で新製品の準備を開始できるのは要素試作からでした。要素試作を実施しながら工程検討を進め、要素試作後から本格的に工程設計を進める、というこの方法では、生産試作までに作業標準書類を70%程度完成させ、量産試作までに100%完成させることになるために、要素試作後から負荷が高まり生産試作で負荷のピークを迎えていました。本来であれば生産設計、また生産試作段階で工程の作り込みに時間を掛けたいところですが、実際には工程管理図や作業図作成に追われてしまい時間を割けない状況でした。結果、その後の試作や量産で不具合が見つかり、工程を再検討しなければならないという悪循環が起こっていました。

VPSを導入したことで、設計部門が3Dで設計したモデルを生産準備部門が早い段階で受領し、業務のフロントローディング化を図ることにより、業務負荷が分散でき、「生産試作段階から業務負荷が上がり、工程の作り込みに時間が充てられない」という問題については解決することができました。

一方でVPSを導入するだけでは 業務効率の大きな改善には繋がらず、「生産準備において仕事量が多く、生産準備作業に時間が掛かる」という課題に対し更なる工夫が必要でした。

この課題を解決するため、新製品の生産準備においてどこに問題が存在しているかを再考し、①工程管理図(作業指示書)作成自体に時間が掛かる、②作業図作成負荷(手間)と翻訳作業ロス、③設計変更時の作業図の再作成による仕事量の増加という3つの具体的な問題にたどり着きました。

問題① 工程管理図の作成に時間が掛かる

この問題に対してはVPS Manufacturingの製造フローを活用し効率化を図りました。工程管理図には工程ごとに19項目の入力が必要で、従来は全て手入力をだったため、入力漏れや入力間違いが起こることもありました。

この問題に対処するため、製造フローで「作業No.」、「作業名」、「作業図ファイル名」の3項目を自動入力できるようにしました。作業要素ごとに設定したユニークなIDを製造フローへ入力することで、VPSデータからCSVおよびJPEGデータを出力する際に、そのIDを起点として「作業No.」、「作業名」、「作業図ファイル名」が自動設定される仕組みを実現しました。

現時点での自動入力項目は19項目中3項目ですが、自動入力項目を増やし更に効率化を図っていく予定です。

手順1 製品フローへID入力 手順2 VPSからCSV入出力バッチでのファイル出力

問題② 作業図作成負荷(手間)と翻訳作業ロス

この問題に対しては、作業図作成標準の改定と製造フローを活用した辞書機能の適用を行いました。作業図作成標準では、多重指示の廃止をポイントに改良しました。下図をご覧いただくと文字やアイコンが減り、すっきりしたことがわかります。

POINT ①多重指示の廃止 ②アイコンの簡素化

以前は作業図中央下側に0.8Nmと青文字で締結トルクが指示されていますが、矢印の色にも締結トルク指示の意味を持たせているため、指示が重複しています。その他「当てつけ指示」や締結数指示についても絵と文字での指示が重複していました。これらの重複指示を無くすことで、文字入力やアイコン入れ込みなど作業指示作成時間の短縮を図ることでき、また作業図が見やすくなりました。あくまで、重複していた指示を無くしただけで、必要な指示を減らした訳ではありません。また、過去に稀に発生していた、多重指示による2つの情報の不一致や締結数量の誤記といった問題も解消することができました。

続いて翻訳作業ロスの対策です。ローランド ディー.ジー.様はタイ工場がメインの生産拠点であり、作業図の翻訳が必須で非常に多くの工数がかかっていたため、その対策としてアイコン簡素化に取り組みました。以前のアイコンは、ピクトグラムと文字により構成されており、生産地に応じて日本語用とタイ語用を使い分けていました。今回の作業図作成標準の改定により、アイコンから文字を無くすことで翻訳作業削減することができました。

POINT ①多重指示の廃止 ②アイコンの簡素化 翻訳対象であったアイコン簡素化→翻訳の必要なし

次に製造フローを活用した辞書機能の運用について説明します。タイ工場で新製品が立ち上がる場合、また日本で生産していた製品をタイ工場へ移管する場合、いずれも作業図の翻訳作業が必要でした。約2,000枚の作業図をまず日本語で作成し、タイ工場へ翻訳の依頼をします。翻訳ソフトでは日本語からタイ語への翻訳はまだまだ精度が低く僅かなニュアンスの違いが市場不良へ直結する可能性があるため、作業図作成においては翻訳ソフトを使用していません。短期間で約2,000枚の作業図翻訳は、タイ工場にとっても負荷の掛かる作業でした。この問題に対して、製造フローに日本語とタイ語の両方を記載する運用を始めました。初回の作成ではタイ語の翻訳が必要となりますが、一度翻訳すれば対比表として蓄積させていくことが可能です。またVPSから作業図出力時に言語選択ができるため、出力作業も効率化できました。

問題③ 設計変更時の作業図の再作成による仕事量の増加

設計変更時に作業図の再作成が発生し、仕事が増加する問題の対策としてVPS設計変更対応と形状交換の活用を実施しました。従来、設計変更時には画像加工、作業図編集、翻訳という3つの作業が発生していました。例えば50か所の設計変更をした場合、約3倍の150か所の作業図編集が発生していました。VPSの旧版と新版データを突合しVPSにて作成したデータを引き継ぐ設計変更機能により、何か所の設計変更であっても、1回の処理で設計変更反映が可能となりました。スナップショットにおいても自動で設計変更が反映されるため、作業図修正の大幅な効率化を図ることができました。

VPS導入結果と今後の展開

VPS導入前に掲げていた「生産試作段階から業務負荷が上がり、工程の作り込みに時間が充てられない」、「生産準備において仕事量が多く、生産準備作業に時間が掛かる」という問題と、VPS導入によって浮き彫りとなった課題①~③を解決し、フロントローディングによる業務着手前倒しの実現と、業務効率30%向上という効果をあげることができました。

ローランド ディー.ジー.様は、VPSの更なる活用を目指し、現在は類似製品のVPSデータバリエーション化 / 共通ASSYデータの横展開 / 設計変更時の効率化 / 製造フローへの手入力業務の効率化といった具体的なテーマを掲げて活動を進められています。引き続き弊社では、VPSを中心に生産準備業務の効率化に貢献できるよう支援させていただきます。

COLMINA デジタル生産準備 VPS の詳細はこちら

お問い合せ先

製品・サービスに関するお問い合わせ
(VPSビジネス部 尾崎)

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